うわっ、ゴキブリだ!
「うわっ、ゴキブリだ!」
「何ビビってんだよ」
「俺ゴキブリだけはマジで無理なんだよ」
「汚い家で悪かったな。そんなに嫌なら俺が殺してやるよ」
「よくゴキブリ出るのか?殺したことあるの?」
「たま~に出るかな。殺すのは今日が初めてだけど、まぁ大丈夫だろ」
「待て!汁とかたくさん出るんじゃねぇ?カーペット汚れるぞ」
「当たり前だろ?後の処分のほうが大変なんだから。
刃物使わなきゃ血とか内蔵とか出ないように殺せるだろうけど、初めてだからなぁ~」
「刃物じゃなくても、新聞紙とかで潰したって出るだろ?なんか申し訳ねぇな」
「気にするなよ。お前は友達だし、せめて痛くないように一発でやってやるからさ。覚悟はいいか?」
「おう」
【解説】
男はゴキブリについての会話をしているのに、
友人は男を殺すことについての会話をしている
(そろそろ、この部屋も害虫駆除しないとな、春原!)
(お、どうしたのさ、今日はやけに気が利くじゃないか?
僕もそうしたいと思っていたのさ!
ゴキブリやら蚊やら意外と出るんだよ!)
(そうだろう、元から立たないとどうしようもないからな!)
(そうそう、ってなんでロープ持ってるの?)
(まあ、お前がくくってくれれば丸く収まるから・・・。)
(嫌です!実は猫いるから害虫なんて出ないもんね!)
(一番がいちゃ意味ないだろ!)
(一番の害虫は僕からしたらお前だからな・・・!)
(多数決でお前が一番です!)
(あ、やめて~!)
春原の寮に自殺未遂者が出た。