お別れ会と色紙






今日は親友の浅井君が転校するのでお別れ会をやった。

みんなと別れるのが寂しいのか、浅井君はちょっと落ち込んでるみたいだった。



お別れ会はとても素晴らしいものだった。



途中、歌が得意な前田君が歌を歌って盛り上げてくれたり、

学級委員の篠崎が詩の朗読をして雰囲気を作ってくれた。



そして、お別れ会のクライマックス。親友の僕が浅井君にプレゼントを手渡す瞬間だ。

プレゼントはクラス全員で書いた寄せ書き。

昨日、出席番号順で周ってきたその白い綺麗な色紙に、僕は今までの思いを込めて



「ありがとう」と、一言だけ書いた。



親友なのにそれだけ?と思うかもしれないけど、その言葉だけで気持ちは十分伝わるはず。

僕は綺麗な袋に入った色紙を浅井君に渡した。



「元気でね、浅井君・・・」



「今までありがとう、渡辺君・・・」



浅井君はちょっと照れたような表情を浮かべて、

袋の中の寄せ書きを見た後、感極まったのか号泣してしまった。



そんな浅井君を見て、たまらず僕も号泣してしまった。

プレゼントをこんなに喜んでもらえるなんて、本当に嬉しい。



2
人して泣いてる姿が滑稽だったのか、クラスの皆がニヤニヤしながらこっちを見ている。

僕は急に恥ずかしくなって、照れ笑いをした。



本当に、とても素晴らしいお別れ会になりました。





















【解説】

渡辺君(W)だから、出席番号では最後の方のはず。

なのに、みんなが出席番号順で書いたはずの寄せ書きが、白紙で回って来た。



つまり、浅井君のために渡辺君以外、誰も寄せ書きを書いてくれなかった。

クラスの皆がニヤニヤして見ていたのはイジメのため。



だから浅井君は色紙を見た瞬間、号泣したのだ。

ちなみに次のターゲットは渡辺君だ。みんないじめはやめましょうね。


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